愛と呼ばれる装置について
光が見えるまで目を凝らす
涙ぐましい静謐の
その先の先の先の先
見つからないかもしれない
叶わないかもしれない
痛みの生じる言葉たちだけ
頼りと信じて火を点ける
全ての感受を燃やし尽して
愛の残り香を想起する
知れないかもしれない
気付けないかもしれない
僕がいなくともこの演劇の
終幕のベルは狂わずに鳴る
ギリシア文字の時計は嘯く
「結局愛の予感は無かった」
分からないかもしれない
或いは本当に
……。
「愛の不在とその証明」