ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


僕は何に殺されるのか
それを考え歩いていたら
お腹がぷっくり膨らんだ
幸せが目の前をよぎりました


その幸せは手を繋ぎ
この世の希望を独り占め
腹が立ったこの僕は
幸せをその場で攫いました


幸せの後には小さな未来が
トコトコついてきてたので
纏めて合わせて縛り上げ
僕の部屋へと持ち帰ります


部屋に帰ると幸せの
ぷっくり膨らむそのお腹
包丁で丁寧に切り分けて
未来も綺麗にくり抜きました


幸せの中の小さな小さな希望に
僕は優しく優しく甘噛みします
未来も全て残らずミキサーに
未来ジュースの出来上がり


それから幸せや未来の類が
全て僕のものになった後も
僕は僕でしかなかった事に
気づいて泣けてくるのです


今度は現実が部屋のドアを叩き
僕を許さないと必死になります
その時僕は分かったのです
僕は夢に殺されるのだと




「幸せの希望の幸せ」