ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


僕の亡霊
僕だけの亡霊
青く温い息を吐く亡霊
遠慮がちに笑って亡霊
切なく泣き虫で、気難しくて
しかし花言葉を大切にする、僕の亡霊


黄泉の先には細い傷道があって
そこには三つの杏の木があって
彼女はそこで、胎内を翻している


僕の亡霊
僕だけの亡霊
瞬きで気持ちが分かる亡霊
素直な夢に泣いて亡霊
すこし意地悪で、すぐ掻き消えて
しかし命を数多に抱きしめた、僕の亡霊


天上には淡い花畑があって
その花の名を誰も知らなくて
彼女はそこで、白い腕を玩んでいる


僕の亡霊
僕だけの亡霊
決して抱くことの叶わない亡霊
いつかのキスも結ばれない亡霊
なのに両手を広げて亡霊
電燈のようだ。煙草の煙のようだ。
しかしきっと静かに傍にいる、僕の亡霊




「僕だけの亡霊」