恋愛主義と名乗る生命の思惑によって
私たちは世界に見初められ
愛情表現なる疑わしき其れに
軽やかにしめやかに詩を綴る
触ったか触らないかの薄い肌が
そっと色づいていく君
貴方の最上である恋愛というものが
私に気づかせぬまま一片になろう
恋に破れた青年は誰彼残らず
感覚の中に身を投げるものと思う
それは神秘と、諦観、細やかな哲学
青年はそして私の知らぬものとなる
私は静かに滴る詩を望む
五月に生まれる私を詩に倣う
恋というものを分からず過ぎて
それでも繰り返す恋の詩を望む
そして愛しさを身篭る、編になる
酸素が混ざり発熱す
恋慕
私は耳をふさぎ布団にもぐった
「恋はいずれ到達しない」