ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


手直しした。

貴方が全てだ
彼のあらゆる詩篇はこれに尽きた
時に彼女は女神だった
時に彼女は世界だった
時に彼女は生命そのものだった


詩篇は幾千の情熱であり
彼はある種の愛の代弁者だった


彼の詩篇は確かに彼だけのものだった
しかしその鼓動は止まることはなかった


その語感に少女は淡く優しい夢を見た
そのフレーズを胸に少年は立ち向かった
その感性を抱き、幾人かは丁寧に呟いた
そして時には誰彼の涙を落とす事もあった


貴方が全てだ
彼は詩篇にこめて今日も想う
命と感受性を削り想い続ける
詩篇はいつか輝き、いつか傷つける
それでも彼は想いしたため続けた


貴方が全てだ
分かってもらえるだろうか
貴方が全てだ
気づいてもらえるだろうか
貴方が全てだ
億千の光を超えて
彼の伝えたかった
その祈り


いつかの外に夜が広がっていた
流れ星がひとつ静かに流れた




「彼の詩篇の話」