ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


彼女の事を考えます
彼女は自罰を愛する人でした
囁かれる言葉よりも美しく
目を伏せる瞳よりも気丈な
彼女は自罰に憑りつかれていました


自己との諍いのあと静かに
自らの心を深呼吸させ
余りある感情を知らぬままに
遠き誰彼に何処までも優しく


彼女のことを考えます
僕は彼女を愛する人でした
唇の艶やかさに常々惑い
物見ぬ瞳の輝きさえも涙し
彼女のその情報体を愛してやまぬ僕でした


口惜しいほどの感慨を知らず
僕は其れでも貴方を信じ
数多の駆け引きや誘い文句さえ
僕の体に巣くう事など無く


彼女の事を考えます
たった一人の彼女のことを考えます
彼女に自罰が蝕む前に
彼女が僕を蝕め、と
少し照れ臭く笑っています




「静かに静かに唱えて」