ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


運指の淵で

拝跪を呷って

徒消の森は

満限で嘆じた

 

枢機の弓は

野情を作して

鍵の内含を

嚢子で拒んだ

 

憤死の裡で

哀毀を量って

喪章の鳥は

短言で慢じた

 

湧起の炭は

叉状を訳して

凪の回雁を

後翅で望んだ

 

 

「蔭る心象」

句点の累で

陋巷に抗した

的の晏起で

桜花を戻して

 

数刻の月は

倒置を則した

陽の保清で

破線を雇って

 

流転の杭で

鴻荒に聾した

痕の慢気で

孟夏を脅して

 

痛哭の隙は

相知を督した

砲の余生で

野戦を掃って

 

 

「凶暴な机」

殺気の幕は

夢裡を透いた

迂遠の弓で

幼歯を負って

 

回視の肚は

怖畏に暮れた

塗絵の妻は

当道を逃して

 

末期の柵は

掏摸を剥いた

所以の膿で

横恣を酔って

 

敗死の殻は

句意に触れた

釣餌の沼は

能動を鎖して

 

 

「審美の許」

階前の雨は

迂拙を崩せど

幕の野生で

養価を洩した

 

補欠の虎は

痛覚を服して

脳の総記で

際限は鳴った

 

愛染の亀は

苦節を写せど

役の磨製で

猛火を汚した

 

吐血の洞は

風格を尽して

躁の納期で

内言は去った

 

 

「フィルム」