ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


空の支配人は

黙想に満足し

苦しき命題を

背理で屠った

 

猫匣の落託は

死生に溺れる

我儘な演奏で

憐惜を薫って

 

淵の被造物は

渇欲に混紡し

眩しき禁域を

酔歩で悟った

 

霊蹟の濃彩は

悲観に潰れる

有毒な卓絶で

熱望を毟って

 

 

「ダメージ」

一途な悪は

禁忌の熱病

悲哀を踊る

烈しき夜嵐

 

怪物を祀り

妊孕する穴

器官の闇で

因子が渉る

 

怠惰な月は

倫理の憂色

盲唖を契る

眩しき泪目

 

乱暴を計り

薬殺する露

履歴の庭で

多難が迫る

 

 

「憎愛の役目」

安楽な薬理が

夢想に迫撃し

不滅性は熱る

混血の積雲で

 

星座の香水は

口紅を損ねて

哀しい映画に

役目が点った

 

弱腰な暗鬼が

日脚に満足し

無神論は廻る

戦域の恋文で

 

口語の制服は

創見を重ねて

淋しい夜風に

悪意が昇った

 

 

「胡蝶の臓腑」

黄昏の鬼は

恋を死産し

無闇な嘘で

感性に触る

 

甘い猛毒に

翅が腐敗し

諦観する詩

抜殻の預望

 

戦犯の貝は

息を屠殺し

不能な胆で

永続に契る

 

暗い宝石に

蜜が夢想し

錯迷する血

憂心の波間

 

 

「ジハード」