ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


時計が忘れた

天国を詠めば

君の偽悪だと

聖人は想った

 

唸る冷凍庫は

詩学に喩えて

肉が観る夢を

満月から護る

 

貴石が怖れた

根底を描けど

僕の慈愛だと

骸骨は話した

 

迫る爆撃機

画題に任せて

罪が降る熱を

断片より悟る

 

 

「死後硬直」

雨の靴音に

森は歓喜

肥った闇を

増殖させる

 

太陽が焼く

暴虐に慣れ

古い獣道は

幻想を妊む

 

人の星震に

街は過失し

訛った嘘を

証明させる

 

引用が富む

寵愛に触れ

永い物語は

曝葬を招く

 

 

「竜の視覚」

不細工な型で

造られた僕は

口笛の色彩に

追憶を融かす

 

映画は沈黙し

欠落を魅せる

奇怪な夕景も

悪病に燃える

 

無意識な嘘で

護られた君は

鼻唄の体温に

惜別を冷ます

 

胎児は悩乱し

盲信を和える

穏和な恋愛も

憂愁に痩せる

 

 

「セオリー」

豚は孤立し

惨殺を望む

正論が降る

悪夢の淵で

 

肉塊ならば

理由が実り

肥満な命を

祝福できた

 

蟻は疲弊し

肯定を嘆く

哀憐が干る

久遠の底で

 

神兵なれど

讃美が睡り

自然な心を

証明できぬ

 

 

トカレフ