地下鉄に残る
血痕を貴んで
痛覚の幻想が
喉で交差する
線路の悲鳴は
苦く死に響き
赤錆が薫れば
遠い星を願う
絵葉書に渉る
筆跡を呟いて
嘆息の引用が
膣で自転する
旅出の朝陽は
聖く美に恵み
歳月が語れど
慧い花を乱す
「ハンカチ」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
地下鉄に残る
血痕を貴んで
痛覚の幻想が
喉で交差する
線路の悲鳴は
苦く死に響き
赤錆が薫れば
遠い星を願う
絵葉書に渉る
筆跡を呟いて
嘆息の引用が
膣で自転する
旅出の朝陽は
聖く美に恵み
歳月が語れど
慧い花を乱す
「ハンカチ」
不細工な型で
造られた僕は
口笛の色彩に
追憶を融かす
映画は沈黙し
欠落を魅せる
奇怪な夕景も
悪病に燃える
無意識な嘘で
護られた君は
鼻唄の体温に
惜別を冷ます
胎児は悩乱し
盲信を和える
穏和な恋愛も
憂愁に痩せる
「セオリー」
非力な初恋に
泪の花は散り
呪った嘆息が
平穏を悼んだ
淋しい道草は
宵闇に渉って
夜光蝶の嘘を
満月が磨いた
不実な生傷に
病の熱は去り
殺した憧憬が
天罰を睨んだ
苦しい哲学は
空白に罹って
宇宙船の夢を
雑音が描いた
「青春の痣」