ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


井戸の底で

偏見を病み

君は真昼も

亡霊にする

 

絹の秘匿は

暴悪で掘り

薄紅差した

憧憬を裂く

 

獅子の腹で

静穏を詠み

僕は回帰も

親密にする

 

蔭の流転は

神性で織り

臓物模した

哀惜を吐く

 

 

「永い掌編」

泪の不時着に

君は声を弱め

可愛い怨嗟で

浄く依存する

 

辿った体温に

そっと甘噛む

縫目は裂けて

追憶が溢れる

 

鏡の異教徒に

僕は嘘を求め

根深い懺悔で

遠く仮想する

 

終った幸福に

ずっと微笑む

台詞は融けて

口実が溺れる

 

 

「歪んだ引力」

童顔な春が

困って笑む

君は告別し

花香を残す

 

潮風は気儘

奉仕する嘘

死兵が祈る

平静の毛色

 

混紡な恋が

燈って惹く

僕は占星し

奇蹟を想う

 

村雨は一途

手櫛する夢

魔物が渉る

再誕の至福

 

 

「美なる瞳」

貴方の戯言に

業を望む私は

穢れた崇拝で

重く執心する

 

私は才で病み

必然を考える

不実が淋しく

憐憫も叶わぬ

 

貴方の暴慢に

天を嘆く私は

潰えた告白で

弱く虐殺する

 

私は裡で泣き

永遠を企てる

古銭が冷たく

大罪も宿さぬ

 

 

「神の仔」