ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


星の雨宿りに

目頭が燃える

甘美な引力を

根底で悟って

 

廻る夢を観る

神話の安楽死

煌く恋で編む

罪深い詩劇よ

 

闇の花盛りに

哲学が癒える

穏和な終末を

聖域で想って

 

燈る街を去る

汽笛の鎮魂歌

瞬く嘘で富む

心無い銀河よ

 

 

「オリオン座」

小皺が語る

福音な君に

地獄の底で

眩しく頷く

 

永い厭世に

破滅の渦巻

僕は忘れて

空白を編む

 

夜霧が悟る

天国な君に

神坐の陰で

愛しく呟く

 

浄い東雲に

裸足の初恋

僕は薄れて

再会を詠む

 

 

「輪廻想い」

棄てた憧憬で

失せる愛液に

贋物の吐息は

追憶を殺すの

 

目蓋の暗闇に

溢れる青春は

実存した恋を

残光で描いた

 

冷えた汗水で

融ける幻想に

喪失の寝癖は

人生を保つの

 

乳房の心象に

潰れる弱虫は

停滞した嘘を

朝露で洗った

 

 

「ジルバ」

詩の哲学で

暴れる鬼は

僕を模って

苦痛に触る

 

古い警笛が

嘆く疾患に

寵愛は捩れ

獣を育てる

 

美の偏見で

溺れる神は

君を偽って

毛布に潜る

 

聖い便箋が

孕む欠損に

残照は薄れ

鎧を与える

 

 

「安全な闇」