ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


贄を実感して

多剤に暮れる

母親は畏怖し

熾天使が散る

 

幻覚の諦視で

甘く摩滅して

易しい福音に

溶融し廻った

 

鬼を読解して

役目に揺れる

恋人は麻痺し

三日月が降る

 

暴走の隙間で

深く否認して

淋しい大罪に

哀哭し遺った

 

 

「小夜の復讐」

名誉の雨が

焔を破棄し

古い盲愛は

認知で鎮む

 

横柄な我が

賛嘆に轟き

憂世の泪は

浅薄を踊る

 

軽視の夜が

鏡を忌避し

強い暗欝は

依存で拓く

 

深刻な美が

滅亡に蝕み

脳裡の柩は

反骨を翔る

 

 

「ハープ」

正論に疲れる

金剛石の胎児

真箇が統治し

猛火を悟った

 

煙突は悲観し

産声を逃れる

基督の讃辞に

理が転落する

 

空想に溺れる

太陽系の映画

迷夢が乖離し

津波を誇った

 

噴水は歓喜

配役を忘れる

亡骸の演舞に

詩が蔓延する

 

 

「魔の記述」

夜鷹は祈る

根暗な幸を

嵐が剥奪し

墜落する空

 

黒は不遜に

神話を誇る

翼で整理し

運命が昇る

 

詩人は削る

安気な嘘を

骸が堪能し

交接する墓

 

肉は無闇に

帰結を辿る

病で開花し

深層が実る

 

 

「泪目の隣」

論考の迷路で

奈落を捜れば

御業は否定し

隔絶に幽した

 

真理の永さに

季節が終って

月見草は過る

無口な暗闇で

 

感性の荒野で

違変を渉れば

讃美は嫌悪し

失亡に廃した

 

異物の甘さに

手紙が還って

彼岸花は遺る

不全な裏道で

 

 

「テロル」

旅人も視る

魔法の夕空

神を通訳し

福音が燈る

 

深い礼拝で

送りし盲目

痛心の痣に

奇蹟が過る

 

恋猫も知る

科学の花園

夢を抱擁し

大罪が腐る

 

永い演算で

渉りし真実

切望の窓に

論理が残る

 

 

「業の直前」

内科医が詠む

霊魂の在処は

理窟に回帰し

讃美を葬った

 

多飲した星は

臓腑で閃光し

無口な闇夜を

幽冥に還した

 

向日葵が蒔く

運命の行方は

私感に浮遊し

大義を彩った

 

連鎖した枷は

幻夢で繁栄し

不遇な自然を

禁圧に渡した

 

 

「ヴィジョン」